第V 章  日本人がアメリカの大学ヘ進学するということ


日米の大学の違い


大事なのは入学「後」のこと

 

「入学がやさしく卒業がむずかしい」といわれるように、日本のような受験制度がなく、小さいときから受験勉強をするようなことはまったく考えられないのがアメリカの大学です。

 

小さいときに、勉強、勉強といったところで、何のために勉強するのか、そんなにわかるはずもないので、もっと親子の絆とか、親から子ヘ教えたり伝えたりすることを大切にしています。

 

そして18歳になって、そろそろ親から離れて一人立ちしなければならないと考えられるようになったら、本格的に勉強を始めて、自分のキャリアのベースになるようなことを築いていけ、という考えです。

 

小さいときにまったく勉強しないというわけではありません。

 

人間として生きる最低限に必要な知識と、人間としてどう生きるか、人間として生きるとはどういうことか、他者と共に生き、公平に生きるとはどういうことか、そういったことはもちろん学んでいくのですが、高校受験や大学受験のための勉強というのはありません。

 

何よりも大切にしているのは、入学後のことです。

 

大学は何をオファーしてくれるのか、また、大学生として自分がいかに成長して親から離れていくのか、を 問題にするのです。

 

自由に伴う自己責任

 

勉強はかなり厳しく、先生も学生も真剣勝負です。

 

学生はもたもたしていたら切られてしまうし、先生も学生から、容赦なく批判にさらされます。

 

教えるということに対してプロであり、情熱をもって学生に接しなければ先生としては通用しません。

 

また、卒業までの年月も、何を勉強するかも、すべて自分で考え自分で決定していかなければなりません。

 

3年半で卒業できるし、学部を変えたっていいし、何度も言うように、ピアノと物理を両方専攻するということだってできるわけです。

 

自由であればあるほど自己責任を伴います。

 

オリエンテーションも日本のように懇切丁寧ではありません。

 

卒業から就職まで大学が面倒を見てくれて、すべての人が一斉に同じ道をたどっていくということはないのです。

 

入学前から大学カタログ (→p.157)をよく読んで、自分のペースをつかんでおかなければなりません。

 

大学生である限り、本当によく勉強しなければなりません。

 

勉強しなければ退学という結果を待つしかなく、また、大学でよい成績を残さなければ、大学院への道も、よい就職口も失ってしまいます。

 

先生の話を聞き本を読み、理解し、暗記して、 1年に1、2度テストがあり、その点数で成績が評価される、というようなことが勉強ではなく、話を聞き本を読みディスカッションをし、理解し、明日何か自分の意見を言うために予習・復習をしてネタを探すというのがアメリカの勉強方法です。