3 留学費用について考える

恵まれている日本人

「お金がないので留学できない」なんていうのは、あまりに何の考えもない人の言うことです。

 

いまの日本は、多くの親は何とか子どもを大学にやらせたいと貯金に励み、用意をしています。

 

また、親に負担できる分が少ないとしても、本人が働けばいいことです。


1ドル360円の時代は、いくら働いてもアメリカに行くお金を貯めるのは容易なことではありませんでした。

 

いまでも、中国やベトナム、インドネシアやイラクなど世界の圧倒的多数の国では、 18歳や20歳の人が働いて1か月5,000円とか6,000円しか得られません。

 

医者の年収が50万円といった国もあるのです。

 

よほどの大金持ちか奨学金でももらえない限り、留学する道なんてないのです。

 

その点、日本は、高卒でも短大卒でも、まじめに働けば月に20万円くらいはもらえて、親を養うということも少ないので、親の家で寝て食べて、自分の稼いだお金の多くを貯金できます。

 

その気になれば自分ででも、留学の費用が用意できるという、恵まれた国にいることを忘れてはならないのです。

 

経済レベルと教育レベルの相関

慶應大学や早稲田大学に合格して、学費や生活費が高いので入学を辞退するという人はとてもめずらしいケースですが、アメリカに行くとなると、少しでも安い学校を、と突然言い出すのはとてもおかしなことです。

 

ましてやアメリカは「安かろう悪かろう」というのが大きな特徴です。

 

何しろ、100ドルを奪い合うのに拳銃を持ち出す人がいれば、召使をかかえる家もある、貧富の差の大きな国なのです。

 

しかし、そのどの層の人も大学教育に至るまで望めばチャンスをくれるという国ですから、4,000もある大学は、おのずと、中産階級以上と中産階級以下というのが一つの境い目となって、レベルが二分されているのです。

 

あまり費用の安い大学を選ぶと、いい意昧でのアメリカのオーソドックスな教育を受けることなく、アメリカの底辺の教育(とても大学教育とはいえない)を受けて、これがアメリカと思って帰ってきてしまうことになります。

 

せっかく親も本人も不安をもって、かつ、ある程度のお金と時間をつぎこんで行くのですから、やはり、アメリカのオーソドックスなよい教育を受けたいものだと思います。

 

大自然の真っ只中にある広大なキャンパスで、寮生活をし、24時間学生として過ごすのが、アメリカではオーソドックスなキャンパスライフです。

 

年間350〜400万円くらいが必要

費用は学費・寮費・食費というように三つが基本です。

 

英語で、Tuition、Room &Boardというのが1セットになっています。


アメリカの大学では、【9〜 12月の秋学期】と 【1 〜5月の春学期】を合わせて「1年度」ですが、この1年度に支払う費用がだいたい25,000 〜55,000ドルです。

 

高いのはハーバードなどの名門大学です。

 

原則として年に2回払いです。

 

ほかにお小遣いや教科書、交通費、保険、夏休みにサマースクールに参加したり旅行したりで、プラス8,000 〜 10,000ドルくらいは考えておく必要があります。

 

もちろん、夏休みに3か月、日本に帰ってアルバイトをすれば、夏休みの費用は必要なくなります。

 

32,000 + 8,000ドルとすれば、1ドル90円換算で360万円、1ドル100円換算で400万円です。

 

ドルの変動によっても大きく違ってきます。

 

費用の捻出方法はいろいろある

小学校から高校まで日本の公立に通いアメリカの大学に進学するのと、日本で小学校から大学まで、ずっと私立に通うのとでは、総合的には前者のほうが安いかもしれません。

 

日本で2年間大学に行って、アメリカの大学に3年生として編入することもできます。

 

日本での2年は夜間や通信で大学の単位をとり、昼間、働いてお金を貯めるということもできます。

 

短大を出て就職して、数年後にお金を貯めてアメリカの大学に3年編入することもできます。

 

アメリカの大学に在学中に何かのことが起きて(たとえばドルが150円になったりお父さんがリストラに遭ったり)留学を断念しなくてはならなくなったときは、きちんと休学届けを出しておけば、帰国し、働いてお金を貯めて、また行くことができます。

 

休んでいる間、お金を1円も支払う必要はありません。


1〜2年後に復学しても単位は残っていますから、何にも無駄になりません。

 

大学によって2〜5年以上たつと願書を出しなおす必要がありますが、決められた手続を踏めば入学がOKになり、単位も復活します。

 

アメリカの大学は、勉強する期間にのみお金を支払い、単位はちゃんと残っていて積み重ねられるという、大変合理的なものになっているのです。

 

このようにいくらでも方法はあるので、お金がなくて留学できないというのはまったく考え違いです。

 

500万円とかし1,000万円とかいうお金をマンションの頭金にするのも一つ、貯金して死ぬまで大切にもっているのも一つ、アメリカ留学をしてさまざまな生きかたを身につけるのも一つ。

 

どれがいいかとなると、赤い花が好きか、黄色い花が好きか、ということでしょうか。

 

あえて言うなら、マンションは地震でダメになるかもしれないし、お金もついつい遣ったり騙されたりするかもしれない。

 

でも自分の身につけた外国人とのコミュニケーション能力、どんな世界でも生きていける能力、自分の足と勘で一人で生きていく力、といったようなものは、どこヘ行っても、地震に遭っても、一度や二度騙されても、決して消えるものではありません。