C アメリカの大学は「卒業がむずかしい」

学期ごとに独立したシステム

 

アメリカの大学は、 9月入学と1月入学とがあり、 (9月〜12月)と(1月〜5月)の学期がそれぞれに独立していて、各々に入学と卒業ができます。

 

各学期に5、6科目とり、1科目につき得られる単位は3、4単位です。

 

また後述するようにアメリカの大学は単位制なので、単位が満了したら3年や3年半で卒業することもできます。

 

秋学期、春学期ともにその長さはだいたい15〜16週間です。

 

この15〜16週間で中間テスト、期末テストがあって、ペーパー(論文)を作成・提出しなければならず、さらに授業のたびに膨大な量の宿題(おもに教科書を読む宿題)が出されますから、そのスピードたるや目が回るほどです。

 

厳しい成績評価

 

一つの学期が完全に独立しているので、学期ごとに、成績と単位が計算されることになります。

 

成績は、クラスでのディスカッションの内容や小テスト、中間・期来テスト、ペーパーの内容などを総合的に判断してつけられます。

 

たとえば「中間・期末テストがそれぞれ25%、論文が30%、小テストが10%、クラス参加が10%」というような基準です。


A、B、C、D、Fの5段階で、このアルファベット表記の成績のことをLetter Gradeといいます。

 

A、B、C、D、Fのアルフアベットそれぞれを4、3、2、1、0の数字に換算したものをGrade Pointといい、その平均値をGrade Point Average、略してGPAといいます。

 

アメリカの大学ではこのGPAが非常に重要で、その数値が大学院進学や就職にも大きく影響します。

 

1年生がとる科目と単位の取得例

科目 単位数
2010年9〜12月(Fall Semester)
Freshman English 3
Biology 3
American History T 3
Economics 3
Spanish T 3
Tennis 1
16単位
2011年1〜5月 (Spring Semester)
College Algebra 3
American History II 3
Business Administration 3
Spanish II 3
Chemistry 3
15単位
1年度の取得単位合計 31単位

 

GPAの計算式は、


(履修した科目のポイン卜×それぞれの科目の単位数)の合計÷総単位数=GPA

です。

 

たとえば、次ページの科目と成績をとった場合のGPAは、ポイントの合計 (52ポイント)÷単位数 (16単位)で、 3.25ポイントになります。

 

アメリカの大学では、FallとSpringの二つの学期を続けてC (GPA2.0)を割るようなことがあれば退学になります。

 

Letter Gradeと100点満点でのスコアの相関

A (4) 100〜90
B (3) 89〜80
C (2) 79〜70
D (1) 69〜60
F (0) 59以下(不合格)

 

科目 単位 成績 ポイント
Freshman English 3 C 2.0ポイント×3単位=6.0
Biology 3 A 4.0ポイント×3単位=12.0
American History T 3 B 3.0ポイント×3単位=9.0
Economics 3 B 3.0ポイント×3単位=9.0
Spanish T 3 A 4.0ポイント×3単位=12.0
Tennis 1 A 4.0ポイント×1単位=4.0

                 合計 52ポイント÷16単位=3.25

 

また、大学院に進むつもりの人や一流企業に入社したいという人は、最低B平均をとっておかなくてはいけません。

 

医学部を狙っている人などは、限りなくオールAに近い成績が必要です。


悪い成績(GPA2.0以下)をとってしまうと、警告書が発行されます。

 

そして成績の改善が見られない場合は、退学です。

 

アメリカでは、成績に対してはとてもシビアな考えかたがされます。

 

もちろんあらゆるサポートはしてくれますが、改善の見込みがなければ、けっこうあっけなく退学になってしまうのです。


このように1学期が16週間で完結してしまうという早いペースと、厳しい成績措置とが、アメリカの大学は「卒業がむずかしい」といわれるゆえんです。

 

続き