おもに旧約・新約聖書をテキストに、ユダヤ教・キリスト教の理念を歴史的に概観する。
といっても決して聖職者や牧師をめざす人だけが学ぶのではない。
広く世界を見渡して、各地に残っている伝説や儀礼、風習などに見られる信仰のありかたを「文化人類学」的に学んだり、あるいは宗教理念や行動規範といった角度から「哲学」的に学んだり、また宗教紛争や迫害などについて「歴史」的・「政治」的に学んだり、宗教音楽などについて「芸術」的に学んだりもする。
キリスト教が中心に学ばれるというものの、それとの比較対象として、イスラム教、ヒンズー教、仏教、儒教、道教、神道、アニミズムなどにも言及される。
そもそも信仰の自由を求めてイギリスから大陸に渡ってきたのがアメリカ史の嚆矢になっていること、そして最近の中東紛争やアメリカ国内のネオコンのありかたなどが問題になっていることを考えると、いまアメリカで宗教を学ぶことは、世界の宗教のありかたや「宗教観」を考える重要なきっかけになるだろう。
哲学/文化人類学/歴史学/考古学/民族学/民俗学/政治学/芸術/音楽
大学院に進学して歴史学、考古学の観点からさらに宗教を研究したり遺跡を探訪したり、というのもおもしろいが、より「いま」に焦点をあてて、政治学や国際関係学を学ぶ、というのも選択肢として考えられる。
宗教というとうさんくさいイメージを抱かれがちだが、「宗教なくして文明は成り立たない」といわれるように、いまの世界のありかたに宗教は大いに関係している。
世界的な宗教観は、政治、芸術、国際ビジネスなどさまざまな分野に生かせるはずだ。