5 いよいよ出願

 

必ずカウンセラーに相談して決めること

 

大学カタログとWEBサイトをよく読み、個々の大学をじっくり比較・検討して、志望校を絞り込んだら、いよいよ願書を出します。

 

各大学の願書締切日はできるだけ事前に確認しておきましょう。


志望校はあなた一人だけで決めてしまわないこと。

 

必ずカウンセラーに相談したうえで決めてください。


アメリカの高校生が志望校を選ぶ際にも、まずWEBサイトにアクセスし、カタログを取り寄せ、というプロセスを踏みます。

 

しかしそれだけで志望校を決めることはしません。

 

必ず、家族そろって大学を訪れ、キャンパスを見学します。

 

しかもそのうえで、ガイダンスカウンセラーと相談して志望校を決めるのです。

 

日本人がキャンパス見学のためにアメリカまで行くのは、実際にはなかなかできません。

 

どうしてもWEBサイトとカタログだけで志望校を決めなければならないのです。

 

それだけリスクを伴います。

 

したがってカウンセラーの助言は欠かせません。

 

カウンセラーのアドバイスを得て、あなたも親御さんも十分に納得したうえで出願に踏み切りましょう。


4〜6校に出願するのがー般的

 

アメリカの大学出願者の、出願校の数

(03年、NACACより)

1〜3校 26%
4〜6校 42%
7〜9校 30%
10校以上 2%

 

アメリカの高校生は、

 

・チャレンジ校 (Reaches)
・実力相応校 (Target Schools/Good Matches)

・すべり止め校(Safety Schools)

というように三つのレベルに分けて大学に出願します。

出願する大学の数は、4〜6校くらいが標準です。

 

最近はオンラインで簡単に願書を出せるようになってきているので、一人あたりの出願校の数は増えているそうですが、かといって10校も出す必要はありません。

 

一般に、レベルの高い大学を狙っている人ほど、たくさんの大学に出願しています。

 

願書の送付

 

願書(Application Form)は、個々の大学のWEBサイトから入手します。


・ダウンロード&プリントアウトして郵送するタイプ

・直接オンラインで送付するタイプ

 

これら2種に大別され、いずれかを選ばせる大学もあります。

 

最近はオンラインで願書を送るのが一般的になりました。

 

大学もできるだけオンラインで願書を送るようにすすめています。

 

オンラインのほうが、大学のAdmissions Officeの入力の手間が省けるし、大学によってはオンラインで願書を送った場合に限って出願料(Application Fee)が割引になったり、免除されたりします。

 

いまでは9割以上の大学が、オンラインで願書を受け付けています。

 

また私立大学には、Common Applicationといって、全米の約400の大学に共通で使える願書を受け付けているところが少なくありません。

 

Common Applicationの入力は、コンビュータ上でしてもよいし、ダウンロード&プリントアウトしたものに記入してもかまいません。

 

しかしパソコン上で入力したほうが、間違えても修正しやすいので、できるだけパソコンで入力するほうがいいでしょう。


Common ApplicationのWEBサイト(http://www.commonapp.org/)からは、入力が済んだCommon Applicationを、オンラインで複数の大学に一括送付できるので、とても便利です。

 

オンラインで送付する前に、必ず画面を保存するか、プリントアウトして保管しておきましょう。

 

他の出願書類(成績証明書、エッセイ、推薦状など)は、オンラインで願書を送った「後」に、別途、大学に郵送することになります。

 

オンラインで願書を送ってしまえば、大学のデータベースにあなたの情報が自動的に登録されますが、それよりも先に他の出願書類が届いてしまうと、大学はそれらがどこのだれの書類か判別できません。

 

またテスト(SAT、ACT、TOEFL)スコアは、テスト主催機関から直接送ってもらうよう手配します。

 

TOEFLの場合は、公式ホームページのMy Home Pageを通じてオンラインで行います。

 

クレジットカードによる支払いで手数料は1枚につき17ドルです。

 

余談ですが、クレジットカード社会のアメリカらしく、オンラインアプリケーションもそうですが、便利な手続には必ずといっていいほどクレジットカードが必要になります。

 

アメリカの大学に入学金はありませんが、出願料(Application Fee)が必要になります(とくに郵送で願書を送る場合)。

 

30〜60ドルくらいです。

 

インターネットでクレジットカード番号を入力するか、銀行で送金小切手をつくって送ります。

 

願書の記入項目

 

願書には、大学によっていくらか異なりますが、だいたい以下のような項目について記入します。


・氏名

・住所、電話/ファクス番号、Eメールアドレス
・生年月日、出生地、国籍
・学歴
・高校の進路指導(担任)の先生の名前
・両親の氏名、職業、学歴
・入学学年(1年生or編入生)
・入寮を希望するか否か
・入学希望時期(「2014年秋学期」など)
・希望する専攻(未定でもOK)
・ほかに出願している大学
・課外活動、受賞経験
・親や兄弟姉妹が在学・卒業しているか
・記入年月日、サイン

 

オンラインで願書を送らない場合、つまり出願「用紙」を用いる場合は、以上の項目を、できればタイプで記入します。

 

とはいってもなかなかタイプライターなど手に入らないでしょうから、手書きで記入することになると思います。

 

その場合はブロック体で、ていねいに、誠意を込めて書きましょう。

 

タイプミス、スペルミス、記入漏れはしっかりチェックすること。

 

アメリカでは必ずガイダンスカウンセラーがこれらのチェックを行います。

 

また郵送で願書を送る場合は、求められていなくても、5X5センチくらいの大きさの、あなたの顔写真を添付しましょう。

 

アメリカの大学の入学審査官は、「どんな子が海の向こうから出願してきたのだろう?」と輿昧津々のはず。

 

大学にあなたを印象づけるという意味でも、顔写真は効果的です。

 

ニッコリ微笑んだくらいの表情がいいでしょう。

 

願書

願書2

 

財政能力証明書を提出する

 

願書と一緒に提出を求められるのが、財政能力証明書(Financial Certificate)です。

 

アメリカの大学に在学して生活していけるだけの財政能力を証明するためのもので、合否に直接影響するわけではありませんが、金額が一定額に達していないと、入学許可は下りません。

 

財政能力証明書は、具体的には、銀行や郵便局の預金残高証明書のことをいいます。

 

金額はドル表記であるのが望ましいのですが、日本円で書かれた場合は、余白にドル換算をした金額を記入しておきます。

 

額としては、600〜1,000万円くらいが標準です。

 

できれば親の名義のものがいいでしょう。

 

そうすれば、あなたが、卒業まできちんと学費を支払い、何かあったときにはお父さんお母さんが責任をもって身元を引き受けます、ということを証明することになります。

 

一つの口座にそれだけのお金がなければ、いくつかの口座を合わせたものでもOK。

 

たとえばお母さんが○○銀行に200万円、お父さんが××銀行に300万円、おばあちゃんが△△郵便局に50万円、おじいちゃんが□□郵便局に100万円というように、それぞれの金融機関の残高証明書を提出しても問題ありません。

 

その際、おじいちゃんおばあちゃんは、あなたと同じ苗字であるほうがいいでしょう。


苗字が違うと、あなたとの関係を示す何らかの証明書を付さなければならなくなります。

 

財政能力証明書の有効期限は3か月です。

 

また出願時だけでなく、学生ビザを申請するときにも必要になります。

 

卒業証明書を提出する

 

高校を卒業した後に、出願している大学には卒業証明書(Graduation Certificate)を送ります。

 

合否に影響する書類ではありませんが、「高校を卒業した」ことを証明する唯一の証書ですので、アメリカの大学はこれを受け取らない限り入学は許可できません。

 

卒業証明書には、あなたの氏名、生年月日、高校名、高校の所在地、入学年月日、卒業年月日が英文で記されていることに加え、学校印と校長先生のサインが必要になります。

 

4種類ある出願プロセス

 

大学ごとに出願の締切は異なり、秋学期入学の場合、早いところでは前年の11〜12月くらいに出願受付を締め切ってしまいます。

 

多くの大学では1〜3月くらいまで出願を受け付け、5月過ぎまで出願に応じる大学もあります。

 

またとくに締切日を設けず、先着順で願書を受け付けるという大学も少なくありません。

 

レベルの高い大学ほど締切が早く、コミュニティ・カレッジなどは通年、出願を受け付けています。

 

願書提出と合否決定のプロセスは、以下の4種類に大別されます。

Regular Decision

締切日が決められ、合否の決定はこの日以降に行われる最もオーソドックスな出願プロセス。

 

秋学期の入学の場合、1〜3月に出願を締め切る大学が多く見られます。

Early Decision

「合格したら必ずその大学に入学する」という約束を交わす出願方法。

 

Early Decisionで出願するのは、自分がどうしても行きたいと考える一大学のみで、いわば「単願受験」ということになります。

 

10〜11月に出願して、普通に出願する人よりもうんと早く(12月中旬〜遅くとも2月1日。ほとんどの場合クリスマスまでに)合否をもらいます。

 

Early Decisionで出願することは、「その大学に行きたい!」という熱意を伝えることになるので、Regular Decisionに比べてEarly Decisionで出願したほうが合格率が高いともいわれますが、必ずしもそうとはいい切れません。

 

しかし名門大学ヘLegacy(卒業生の子女)が出願する場合に限っては、 Regularよりも2〜3倍ほども合格率が高まるようです。

 

現在は400校以上の大学がEarly Decisionで願書を受け付けていて、その数は増える傾向にあります。


なおほかの大学へは、Regular Decisionであれば出願してもかまいません。

卒業証明書

Early Action

Early Decisionと似ていて、やはり10〜11月くらいに出願して、合否は 12〜2月にもらいますが、合格した大学に必ず入学しなければならないという制約はありません。

 

つまり「契約なしのEarly Decision」です。

 

したがってEarly Actionで複数の大学に出してもOKです。

Rolling Admission

いつでも出願でき、大学は願書を受け付けた時点で審査を行います。


定員いっぱいになったら締切になりますので、できるだけ早く出願したほうがいいでしょう。

 

合否は、出願して4〜8週間後に知らされます。

 

出願書類チェックシート

 

Regular? それともEarly?

最近はEarly Decision (Action)で出願する高校生が増えています。

 

それは「Early Decision (Action)のほうがRegular Decisionに比べて合格率が高い」という観念があるからです。

 

しかしLegacyであれば別ですが、そうでなければEarly Decision (Action)で出願したからといって合格のチャンスが高まるわけではありません。

 

またすべての大学がこの方式で願書を受け付けているわけではありませんので、事前のチェックを要します。

 

注意しなければならないのが、Early Decision (Action)の出願時期の早いことです。

 

遅くとも11月くらいにはすべての出願書類をそろえて提出しなければなりません。

 

日本の高校生の場合は、2学期の成績が出る前に出願することになります。

 

もし2、3学期に成績が上がる可能性があり、それが合否に影響するのであれば、Regular Decisionで出願したほうがいいでしょう。

 

ムリしてEarly Decision (Action)で出願するよりは、学校の成績やTOEFLスコアを上げられるだけ上げてから、Regular Decisionで出願したほうがいいのです。

 

ちなみにEarly Decision (Action)で不合格になった大学に、Regular Decisionで再度出願することは、原則としてできません。

 

ただし、大学のほうで「Early Decision (Action)では合格を決められないので、Regular Decisionの志願者として考慮する」ということはあります。

 

出願後もTOEFLを受けよう

 

願書と他の出願書類を大学に送付したら、大学のほうから「出願を受け付けました」という通知が、ハガキまたはEメールで送られてきます。

 

提出書類に不備があったら、「○○が欠けているので、すぐに送るように」という指示がされるので、速やかにその指示に従います。

 

大学によっては個々の出願者にIDとパスワードが与えられ、WEBサイトで審査の進捗状況や合否をチェックできるようになっています。

 

その場合はこまめに大学のホームページをチェックしましょう。

 

願書を出してしまえば、ひとまずは合否を待つばかり。

 

ただしTOEFLスコアが上がったら締切日の後でも送ったほうがいいので、余裕のある人は、できれば出願後も、毎月TOEFLテストを受けましょう。