アメリカヘ1年間の単位認定留学をするケース

〜将来の大学院留学の前に、 1年間のアメリカ留学を経験〜

推薦入学で早稲田に入ったものの

夏木さんは小さい頃からアメリカの映画や音楽が大好きで、将来は外資系でバリバリと働いてみたいと思っていました。

 

親戚で留学した人がいたため、留学には興昧を持っていました。

 

ただ、高校に進学すると親や周りの先生も、日本の大学に進学することが当然のことという風潮があり、留学するなどと言える雰囲気ではありませんでした。

 

高校は地元の進学校でしたので、もちろん留学の情報もサポートもありません。

 

結局、部活で忙しく、留学のこともとりあえず忘れて、勉強を頑張った結果、推薦入学で早稲田大学に進学することができました。

 

東京の生活は楽しいものでした。

 

その楽しい生活になれてしまった夏木さんは、本業の学業がおざなりになってしまいました。

 

それでも、このまま卒業するのであれば、この大学生活で大丈夫でしたが、2年生になり、冷静に自分のことを考えてみると、夏木さんはやはり留学の夢をあきらめられません。

 

周りにも留学経験者や帰国子女が多く、外国が身近でのびのびと学業をこなす彼らがうらやましく思われ、留学の思いがますます強くなりました。

大学の交換留学生として留学を計画したものの

商学部に在籍していた夏木さんは、卒業後、数年働いて実力をつけ、アメリカでMBA(経営学修士号)を取りたいという夢がありました。

 

そのため、卒業後は就職をしなければなりません。

 

ただ、長年の夢だった留学をその時まで待つのはイヤなのです。

 

自分の長期的な目標と長年の夢の両方をかなえるためには、この3年次にぜひとも留学をしておこうと思いました。

 

まずは、大学の交換留学生として留学しよう思いましたが、大学の提携校は、留学試験の基準が高いため、今の成績や英語力では受験資格が得られません。


TOEFLも受けてみましたが、最初は40点、2回目は48点、3回目は53点でした。


悪くはありませんでしたが、提携校の最低基準である61点まで上がる自信がありません。

 

英語は好きでしたが、日本の授業で学ぶ英語ではTOEFLには通じませんでした。

 

結局、TOEFLも基準点に達しないために英語学校に行くことを考えました。

 

しかし、夏木さんはアメリカの大学のキャンパスでアメリカ人と一緒に机を並べて「英語で」勉強したいのであって、英語学校で「英語を」勉強したいのではなかったのです。

 

留学エージェントにも相談してみましたが、どこもTOEFLのスコアが高くないと言われ、コミュニティ・カレッジか、英語学校を勧められました。

 

2年生まで終えている夏木さんは、いくらアメリカと言っても、レベルの低い二年制の大学に行きたくはありませんでした。

 

1年間英語力を上げることも考えましたが、卒業を延ばしてまで、上がるかわからない英語のために時間を使うより、どうしてもアメリカの四年制大学でアメリカ人と一緒に勉強したいと思いました。

 

そして、3年生の9月にアメリカの大学に留学することを絶対条件として自分に課しました。

 

そこで、留学研究所のホームページを見つけました。

 

リベラルアーツ・カレッジのことや、アメリカの入学の仕組みについて書いてあります。

 

ビジネスのクラスも取りながら、他の学部のクラスも自由に取れるシステムはとても魅力的です。

 

アメリカの大学では、入学審査においてテストの点数で機械的に審査をされるのではなく、大学によっては英語の点数が達していなくても他の部分でアピールができること、そのシステムをふまえて、留学研究所から多くの日本人学生がアメリカの大学に正規学生として留学していることなどがわかりました。

 

自分の可能性についてもっと知りたくなり、まずはカウンセリングを受けることにしました。

 

カウンセリングを通じて、アメリカの大学の仕組みがわかれば、留学してからも英語での授業についていけることも理解しました。

 

これなら留学できそうだと確信した夏木さんは、本格的に留学準備を開始しました。

日本でも認められる単位の科目を選ぶ

認定留学として留学をする夏木さんは、自分の持っている単位と、出願校の単位のシステムを理解し、日本の大学に戻ってきてからもそれが単位として認められるような科目を履修することにしました。

 

その視点でアメリカの大学のカタログを読んでいくと、その中で説明されている科目内容(Course Description)を興味深く理解することができます。

 

日本の大学には、認定留学の申請書を出さなければなりませんでした。

 

親が記入する申請書もあり、かなり戸惑いましたが、カウンセラーが相談にのり、認定申請書を作成するポイントもアドバイスしました。

 

多くの学校のカタログを読みましたが、カリキュラムが豊富で、小・中規模の大学を中心に、出願校はCanisius College、Wartburg College、Ohio Northern Universityに絞りました。

 

これらの大学の入学審査担当の先生が来日して留学研究所を訪れるということで、直接、面接をしてくれました。

 

英語での面接の練習もしっかり行い、TOEFLの点数だけでは測れない自分の長所をアピールできる機会に恵まれた夏木さんは、地元のことや将来の夢について意欲的に語りました。


結果、3校全てに合格することができました。

 

奨学金も平均10,000ドルもらえ、最も多くの12,000ドルを授与してくれたCanisius Collegeに行くことにしました。

 

Canisius Collegeは、奨学金の額はもちろんですが、最初の学期から確実にアメリカ人と一緒の授業に参加し単位を取れることが魅力でした。

 

なぜならば、英語力不足が懸念され、留学生のための英語の授業(ESL)の科目を多く取らなければならないとなると、日本の大学に戻ってきてから単位として認められない可能性があるからです。

 

Canisuis Collegeは、現在の夏木さんのTOEFLスコアの場合、最初の学期にESL科目を2つ、アメリカ人と一緒の授業の科目(レギュラー科目)を3つ履修するという条件で合格させてくれました。

 

この条件ならば確実にレギュラー科目を取り、日本の大学にその単位を持ち帰れます。

 

しかも、大学に到着してすぐに受ける留学生の英語力査定のテストで良い点を取れば、全てレギュラー科目を取ることも可能です。

 

そのため、夏木さんは夏に渡米する前まで、大学に通いながら英語の勉強も地道に続けました。

 

その成果もあり、Canisius College到着後に受けた英語力査定のテストで良い結果を収め、最初の秋学期に1科目のESLと4科目のレギュラー科目を履修することになりました。

 

秋学期と春学期の2学期とそれに続くサマースクールのまるまる1年間で、36単位くらい日本の大学に持ち帰ることができそうです。

 

履修するレギュラー科目は、大学カタログを読んで何を取るべきかをすでにだいたい決めてありましたので、科目登録も順調で、夏木さんは1年間の認定留学を充実したものにしようと勉学に励んでいます。