これまで繰り返し述べてきたように、アメリカには大学のレベルを数値で測ろうという概念そのものが存在せず、またそれぞれの大学によって入学基準が大きく異なっているので、全米の大学を正確にランクづけるのはほとんど不可能です。
しかしそれでも、いくつかの判定基準を設け、アメリカの大学をランクづけしている団体や出版物がいくつかあります。
ランキングの基準は、入学難度、学生の満足度、Retention、卒業率、図書館の蔵書数などです。
また専攻分野別のランキングもあります。
とりわけ有名なのが、US News and World Report誌によるランキングです。
毎秋に発表され、総合大学とリベラルアーツ・カレッジとで別々にランクづけしています。
「ランクが高い大学に行きたい」というように、ランキングを基準に大学を選ぼうとする高校生は、日米を問わずたくさんいます。
しかしこれらのランキングは、つねにその妥当性が問題視されています。
たとえば、ある年に36位だった大学が翌年には53位になっているのはなぜか、また48位の大学と56位の大学はどう違うのか、といったことは明確に示されていません。
名門スタンフォード大学の学長がUS News and World Report誌に抗議の手紙を出して話題になったのも記憶に新しいところです。
入学基準や教育の力点が個々の大学によって大きく異なるアメリカでは、まったく客観的なランキングは存在しません。
ランキングはあくまで参考程度にとどめるべきでしょう。
大切なのは、何よりも「あなた」がハッピーで充実した学生生活を送れるか、ということを基準に大学を選ぶこと。
実際、大学に入ってしまえば、ランキングなどほとんど意味をなさないことを実感するはずです。
参考までに、インターネットで閲覧できる、さまざまな大学ランキングのサイトを以下に紹介します。
・US News and World Report College Rankings
http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges/rankings
全米で最もメジャーな大学ランキング。
総合大学とリベラルアーツ・カレッジが別にランクづけされている。
・College Prowler
http://collegeprowler.com/rankings
学業面だけでなく、食事、施設、スポーツ、ナイトライフなどさまざまな角度から大学をランキング。
・Kiplinger : 100 Best Values
州立大学:http://www.kiplinger.com/tools/colleges/
私立大学:http://www.kiplinger.com/tools/privatecolleges/
コストパフォーマンスの高い大学のランキング。
州立・私立別にランクづけされている。
・Princeton Review's Best College Rankings
http://www.princetonreview.com/college-rankings.aspx
学業、大学の態勢、在学生、課外活動など、64のカテゴリで大学をランキング。
・StudentsReview
http://www.studentsreview.com/
在学生たちが自分の大学についての評価をコメントしている。