8 面接

 

アメリカの大学が面接を重視するのはなぜか

アメリカの大学が合否を決める際に重視する六つの重要項目ーThe Significant Sixーの最後は、面接(Interview)です。

 

アメリカの大学が面接をする一番の目的は「お互いのことをよく知ろう」ということです。

 

あなたに大学のことをよく知ってもらいたいし、書類からだけではうかがえない、あなたのユニークなところ、よりリアルな人間性を見いだそうとするのです。

 

面接は英語の試験ではありませんし、「第23代アメリカ大統領はだれか?」なんてテストされることもありません。

 

出願者にとっては、自分を大学に印象づける、熱意をアピールする絶好のチャンスです。

 

面接だけで合否を決める大学はありませんが、面接がとくに重要になるのは、出願者の合否がきわどいときです。

 

面接の出来次第で、合格への後押しがされることだってめずらしくありません。

 

「必ず面接を受けなければならない」とする大学は少数ですが、「面接を受けたほうが望ましい」とする大学はけっこうあります。

 

リベラルアーツ・カレッジなど私立大学や名門大学ほど面接を重視します。

 

場合によっては2回、3回と面接をする大学もあるくらいです。

 

一方、州立大学やコミュニティ・カレッジでは面接が課されません。

 

面接は、基本的には大学のキャンパスに赴いて行います。

 

キャンパスに出向けない場合は、全米に散らばっている卒業生と面接したり、電話での面接が行われたり、最近ではEメールの面接(文章での、一問一答形式で行われる)も増えてきました。

 

また、多くの大学のスタッフが優秀な高校生を探して全米・全世界を飛び回っていますから、そうした機会に面接を受けるという方法もあります。

 

面接で聞かれること

面接は決して堅苦しいものではありません。


30分〜1時間くらい、楽しく会話をしましょうという感じです。

 

一問一答ではないので、どんな質問がされるかはわかりませんが、一般には以下のようなことが聞かれます。

 

自己紹介をしてください。 (Tell me about yourself.)


あなたの長所と短所を話してください。


家族について話してください。


住まいについて話してください。


高校について話してください。


高校生活で最も重大な出来事は?


好きな科目は? 嫌いな科目は?


なぜ本大学を選んだのですか?


どの大学が第一志望ですか? ほかに受けた大学は?


何を専攻しようと思っていますか? なぜ?


将来の計画は? 夢は?


大学卒業後のプランは?


好きな本、作家は?


好きな課外活動、趣昧は?


尊敬する人は?

 

それから最後に必ずも"Do you have any questions?"と聞かれます。

 

今度はこちらから質問を投げかける番です。

 

面接を成功させるポイント

とにかくリラックス!

 

大学はあなたを落とそうとして面接をするわけではありません。

 

英語が苦手な人は、面接をするとデメリットになるのではないかと考えがちですが、決してそんなことはありません。

 

身振り手振りを交えたり、写真、自作の絵や書画などの小道具を使ったりできますから、英語のハンデはかえってカバーできます。

 

そして本番前にきっちり練習&リハーサルをすること。

 

まず、できるだけたくさんの質問とそれに対する答えをつくり、それをもとに家族や先生、カウンセラーとリハーサルをします。

 

とくにカウンセラーからは「もっとこういう例を出したほうがいい」といった具体的なアドバイスが得られるはず。

 

そしてとくに重要なのが、面接を受ける大学についてよく調べておくことです。


面接の前にWEBサイトやカタログをよく読み、その大学のよいところ、気に入ったところを言えるようにしておきましょう。

 

最後に必ず聞かれる"Do you have any questions?"に対しては、WEBサイトやカタログを見ればすぐにわかるような質問はすべきではありません。

 

できるだけよくその大学を調べたうえで、質問を考えましょう。

 

大学についての質問だけでなく、自分について聞いてもかまいません。

 

たとえば「貴大学に合格するために、私は何をすべきですか?」というような質問でもOK。

 

日本で面接をするチャンス

日本人が、アメリカの大学まで赴いて面接をしなければならないというケースはそんなにありません。

 

留学生については面接は免除されるか、電話での面接が行われるという大学がほとんどです。

 

とはいうものの、大学のスタッフが来日することもけっこうあるので、そうしたチャンスにはできるだけ会うようにしましょう。

 

そうしたときにできるだけ会って話をし、アピールできるよう、カウンセラーがアレンジしています。

 

大学に一度でも問い合わせをしたり資料請求をしたりしてコンタクトをとったことがあれば、大学のほうから「○月×日〜△日まで、□□ホテルに滞在しているので、ぜひ会いましょう」といった連絡がEメールで来ます。

 

また毎年10月には、日米教育委員会の主催による「アメリカ大学留学フェア」が東京、大阪、神戸で聞かれます。

 

このフェアでは、アメリカの大学が個々にブースを設け、資料を配ったり質問を受け付けたりしています。

 

ここではいわゆる面接はできませんが、直接大学スタッフと会って自己アピールをしたり質問をしたりするチャンスですので、ぜひ参加しましょう。

 

以上、アメリカの大学が合否を決める六つの要素についての解説を終わります。


大学進学への臨みかたが、アメリカと日本では大きく異なることがおわかりになったことと思います。

 

次章では、いよいよ大学選びと実際の出願手続についてお話ししましょう。