アメリカにも、日本と同じように大学進学校があります。
大学での勉強の「準備をする学校」という意味で、Preparatory School - 通称「プレップスクール」と呼ばれます。
なかでもPhillips Academy (Andover)やDeerfield Academyなどは、ハーバードなどのエリート大学ヘ生徒を送り込んでいる超名門プレップスクールとして、全米に名を馳せています。
第I章のケーススタディで紹介したキャロリンとベスの通ったChoate Rosemary Hallも、そんな名門校として有名です。
しかし、ハーバードに入学するのはこうした名門校の生徒ばかりではありません。
ハーバードをはじめ名門大学にとって大切なのは「多様性」と「バランス」です。
さまざまなバックグラウンドや才能をもつ入学生を集めたいのです。
いくら勉強がよくできるからといって、同じ高校の出身者ばかりが集まっては好ましくありません。
たとえば同じ高校から50名もの出願者があった場合、それがいくら名門高校であっても、同級生と比べてどこかユニークなところ、際立つところがなければ、とりたてて魅力的な人材に思われません。
じつは名門プレップスクールに通う生徒ほど、同級生と比べて自分がどれだけユニークかを大学に示すことに苦心しているのです。