大学カタログは、各大学が発行している学校案内書です。
毎年あるいは2年に1度くらいのペースで刷新されます。
大学カタログには、
・大学の歴史・理念
・年間のスケジュール
・カリキュラム
・講義要綱
・成績評価のしかた
・卒業するための条件
・退学になる条件
・教授・職員の紹介
・課外活動
など、その大学について知っておきたいあらゆることが網羅されています。
これ一冊を読めばその大学の全貌がわかるだけでなく、複数のスクールカタログを読み比べることで、志望校選びの指針をたてることができます。
実際にアメリカまで行ってキャンパスを見学することがなかなかできない日本人にとっては、この大学カタログこそが志望校選びの最も重要な手がかりになるのです。
書かれている内容はホームページとさほど変わりませんし、情報量としてはホームページにはかないませんが、大学カタログはそれだけに、大学側が出願者に本当に伝えたいこと、アピールしたいことがより強調されています。
カタログはいってみればその大学の「顔」ともいうべきもので、「大学の本質を伝えよう」というつくりがされています。
カタログといっても100ページを超す厚さです。
これを英語で読むのは大変ですが、その大学のいわば「エッセンス」がすべて詰まっていますので、これをきちんと読まないうちに志望校選びはできません。
個々の大学カタログの一言一句をもらさず読むのは大変ですし、効率もよくありません。
すべてのページを読むのではなく、自分にとって必要な情報だけを選んで読めばいいのです。
とくに志望校選びにおいて注意したいのは、卒業までのカリキュラムです。
具体的には、
・卒業までの必要単位数
・一般教養課程――単位数、必須科目、選択科目、各科目の講義概要
・専攻課程――単位数、必須科目、選択科目、各科目の講義概要、教授の数・プロフィール
以上のことについて候補の大学を比べてみます。
カタログをよく読めば、卒業までのシミュレーションができるはずです。
専攻が決まっていない場合は、一般教養の課程をしっかり見比べましょう。
気に入ったこと、疑問点は必ず書き出すこと。
そのために「大学カタログ覚え書きノート」みたいなものを一冊つくることをおすすめします。
とても大切な大学カタログですが、ページを繰るだけでも、留学への実感が湧いてくるはずです。
あまりむずかしく考えないで、楽しく読むことを心がけましょう。
また複数の大学のカタログを読むことによって、「留学用語」とでもいうべき表現を覚えていきます。
学費をtuitionというとか、単位をcreditまたはunitというなど、留学に必要なボキャブラリーが自然に身につきます。
カタログをしっかり読めば、英語力が必ず上がります。
大学がある程度絞り込まれてきたときに、アメリカの高校生がとくに気をつけるのは、その大学が自分にとって"Comfortable and Challenging"であるか、ということです。
Comfortableとは、「居心地がいい」ということ。
あなたにとって落ち着いて勉強しやすい環境であるかどうか、ということです。
リラックスできる、あなたがあなた自身でいられる、そんな大学が望ましいのです。
Challengingとは、「やる気を起こさせる」ということ。
勉強に、課外活動に、精一杯打ち込みたくなるような環境であるかどうか、ということです。
教授やクラスメイトからつねに刺激を受け、あなたの可能性が引き出されるような大学をめざしたいのです。
ComfortableとChallenging、一見、矛盾するようですが、これらのバランスがうまくとれた大学、それがあなたのめざす大学です。
大学カタログやWEBサイトからだけでは、その大学がComfortableであるか、Challengingであるか、というのはなかなか見きわめづらいのですが、カウンセラーからの助言を得るなどして、あなたにとってComfortableでChallengingな大学を探しあててください。
そして志望校を決めるにあたっては、「大学名」でなく、その大学であなたが何をできるのか、どんなことにチャレンジできるのか、を考慮に入れること。
大学卒業後、社会に出て問われるのは大学の名前よりも、あなたがどんな大学生活を送ったか、どんな科目をとりどれだけの成績を修めたか、ということのほうです。
なお志望校選びをするときには、チェックシートを自分なりにつくるといいでしょう。
何しろたくさんカタログに目をとおし、WEBサイトを見ることになるので、どの大学をどのように気に入ったのか、また気に入らなかったのかということをまとめておくと、後でもう少し詳しく見てみようとか、なぜ気に入らなかったのかなとじっくり考えるときに便利です。
あなたのための、あなた自身の情報をまとめておくのはとても大切な作業です。