先述のように、アメリカの大学で行われるテストの代表的なものが、
・小テスト(Quiz)
・中間テスト(Mid-term Examination)
・期末テスト(Final Examination)
です。
1学期に行われる大きなテストはMid-termとFinalの二つですが、科目によっては、1学期に3回以上のテストを設けていたり、ペーパーのみでテストは課されないものもあり、その指定は教授により異なります。
テストの形式は、以下の4タイプに種別できます。
Closed-Bookすなわち「教科書を閉じて」受ける、最もオーソドックスなテスト形式。
教科書を見ながら受けるテスト。
通常は教科書のほか、ノートや自分で用意した資料を見てもかまいません。
教科書を見ただけでは容易にわからないような、難度の高い、あるいは自分の意見が問われるような出題がされます。
問題が配布され、数日〜1週間くらいかけて提出するテスト。
教科書やノートを見ながら解いてもいいし、自分の好きな時間・場所を選べますが、Open-Book Examinationよりもさらにむずかしい問題が出されます。
口頭のテスト。
とくに卒業間近、学んだことの集大成を問われるかたちで行われます。
教授との一問一答、もしくはある程度まとまった長さの意見を口述します。
だいたい10〜30分くらいです。
テストで問われる問題は、以下の2種類に大別できます。
・Objective Questions (客観的な問題)
・Subjective Questions (主観的な問題)
Objective Questionsには以下のものが含まれます。
・Multiple Choice:選択肢問題。
4択か5択が多い。マークシートやコンピュータで受験するタイプもある。
・Matching:組み合わせ問題。
「左群の単語と同義のものを右群から選び線で結びなさい」など。
・Short Answer:文章の空欄を埋めたり、定義などを1、2文で書くもの。
・True/False:正誤問題
階段教室で行われるような授業では、このObjective Questionsがおもなテスト形式です。
またQuizで問われるのもほとんどがObjective Questionsです。
次のSubjective Questionsに比べると、答えやすい、やさしい問いかただと言えます。
Subjective Questionsは、学生の意見や分析能力を問うものです。
文章で答えさせる問いが多いので、 Essay Questionsとも言います。
1問につき、数段落〜数ページによる文章で答えます。
一般的なことや歴史的事実を述べさせるのではなく、
「エコノミーとエコロジーをいかに共存させていきますか」
とか
「あなたはいま、中絶した婦人と聖職者との間に立っています。
両者をいかに和解させますか」
といった、書き手の意見を求めるのが、Essay Questionsの大きな特徴です。
日本人がとても苦手とするEssay Questionsですが、それでいて概して配点が高いため、何かコツがあればいいのですが、これといって近道はなさそうです。
つねに自分で考え、それについて意見をもち、文章で発表するという練習を繰り返すのが、地道でも一番、確実な方法でしょう。
Essay Questionsでは、出願時にエッセイを書いたときのように、しっかりとしたアウトラインをつくるのがポイント。
アウトラインづくりに十分に時間をかけないと、必ず途中で行き詰まります。
とくに英作文においては、
(1)結論を述べ、
(2)それを立証する事例をいくつか掲げ、
(3)結論を再確認する、
という3部構成が基本です。
エッセイづくりの時間配分は、だいたい以下のように進められます。
・アウトラインづくり:15〜30%
・実際に書く作業:60〜75%
・読み直し・書き直し:10〜15%