いよいよあなたの入学する大学を決めるときが来ました。
だいたい複数の合格校の中から入学する大学を決定することになりますが、合格通知の届く時期が大学によって異なります。
そこで気をつけなければならないのが、入学する意思があることを示すために、決められた期日までに、学費の一部をDeposit(予約金)として前もって大学に納めなければならないということです。
期日までにDepositを支払わないと、「入学する意思がない」と見なされて、合格が取り消されてしまうこともあります。
Depositの額は200〜1,000ドルくらいです。
入学後は学費の一部として算入されますから、いわゆる入学金というのとは違います。
入学校を決めるのは、すべての大学の合否が出てから、というのが原則です。
しかし、第一志望の大学の合否が出る前に、すべり止めの大学が合格し、Depositを支払わなければならない、というケースはめずらしくありません。
その場合、そのすべり止めの大学には一応、Depositは支払っておいたほうがいいでしょう。
返金されることはありませんが、もしも第一志望校が不合格になってしまい、行ける大学が一つもなくなってしまっては困ります。
大学によっては、補欠(Wait List)という審査が下されることもあります。
多くの大学ではDepositの支払期日を5月1日に定めています。
補欠の審査は、それ以降に行われます。
つまりこの時点では、おそらくどこかの大学にはDepositを支払っているということになるでしょう。
Wait Listの状態にある志願者が合格を勝ちとるカギを握るのは、何といっても「その大学に行きたい!」という熱意です。
臆することなく大学にコンタクトをとって、熱意や思い入れを伝えましょう。
「合格したら必ず貴大学に入学します」と言うのも、典型的な「殺し文句」ではありますが、けっこう功を奏します。
また高校の成績やTOEFLスコアが上がったら、それが合格を後押ししますので、出願後でもしっかり高校の勉強をし、TOEFLを受験すること。
ただしほとんどの大学では、Wait Listにある出願者の合格率は10%を超えません。
狭き門であることの覚悟はしておいたほうがいいでしょう。
さあ入学する大学が決まりました。
これまで長い道のりでしたが、渡米までにしなければならないことは、もう少し残っています。
ここから先はいわゆる入学手続・渡航手続ということになります。
まず、入寮の手続をとります。
入寮の申込書は、合格通知と一緒に送られてくるか、Depositを支払った後で、I-20(次項参照)と一緒に送られてきます。
この手続があまりに遅いと、定員いっぱいになって入寮できない、なんてことも起こり得ますので、速やかに入寮の申込をしましょう。
申込書には、あなたの性格や好みに関するアンケートが載っていることもあります。
このアンケートでは、たとえば、
・あなたの起床・就寝時間
・勉強するときにはいつも音楽をかけるか
・平日と休日の勉強時間(夜型か、昼型か)
・タバコを吸うか否か
といったことを問い、これらの回答に応じて、ルームメイトの組み合わせが行われます。
入学する大学にDepositを支払ったら、入学許可証である"Form I-20"が送られてきます。
Form I-20は、入学許可証としての意昧をもつほか、入学後は在学証明書としての役割も果たします。
アメリカ出入国の際に必ず提示を求められるもので、その大学の学生であることを証明する唯一の正式な書類です。
また学生ビザの申請にも欠かせません。
学生ビザ (Student Visa)の申請は、アメリカ大使館領事部または領事館査証部で行います。
申請にあたっては、Form I-20のほか、財政能力証明書、留学の目的をつづった作文、最終学校の成績表などを添え、パスポートもあわせて用意し、アメリカ大使館領事部で面接をします。
住む地域によって申請する場所が異なりますので、詳しくはアメリカ大使館のWEBサイト内にある「ビザサービス(http://japanese.japan.usembassy.gov/ja/visas.html)」で確認してください。
卒業をめざした留学生が取得するビザは「F-1ビザ」と呼ばれるビザです。
勉強を目的として長期間アメリカに滞在する人に発給されるものですので、アルバイトはできません。
また成績不良で退学になった場合はビザが失効しますので、あくまで「勉強中心」の留学であることを、心に留めておきましょう。
なお9.11以降、とみにビザの申請がややこしく、かつ、申請基準がたびたび変更されています。
2004年末にベーカ一元駐日大使が「もっとアメリカ留学を」と呼びかけたように、アメリカとしては日本人の受け入れに前向きですので、手続をきちんとしさえすればビザは発給されます。
いったんビザ申請を拒否されると、ビザウェーパー(Visa Waiver)といってビザなしの観光での渡米すらもできなくなりますので、ビザ申請には細心の注意を払いましょう。
入学大学に、健康診断書(Health Certificate)の提出が求められます。
診断書のフォームは、大学から送られてきたり、WEBサイトからダウンロードできますので、それに記載されている項目に沿って、お医者さんに英文で書いてもらいます。
とくに持病やアレルギー、常備薬のある人は、診断書を2通つくり、1通は大学に送り、もう1通は留学中、つねに携行するようにしましょう。
何かあったときに、診断書があれば、適切な処置がされるはずです。
また予防接種証明書(lmmunization Record)も提出しなければなりません。
州や学校によって規定が異なりますが、だいたい破傷風、ジフテリア、はしか、風疹、おたふく風邪、B型肝炎、ツベルクリンの接種もしくは抗体があることの証明が必要です。
複数の注射を受けなければならない場合もあるので、時間に余裕をもって準備をしましょう。
また幼いときの病気や予防接種の記録も必要になりますので、注射を受ける際には、必ず「母子健康手帳」を持って行くこと。