学習は予習中心です。
「次の授業までに教科書p○~p○まで読んでおきなさい」と授業ごとに宿題が出されます。
これは、"Reading Assignment"と呼ばれる宿題で、アメリカの大学生活における「宿題」の大部分はこのReading Assignment です。
授業は、先述の通り、このReading Assignmentとして指定された箇所を学生たちが読んできていることを前提に、おもにディスカッション形式で行われます。
ですから、この宿題をやっておかないと、授業に出てもちんぷんかんぷん、ディスカッションに参加することもできません。
参加しないことは理解していないことと見なされ、評価も落ちてしまいます。
一つの科目につき、毎回の授業で出されるReading Assignmentは20〜50ページくらいですから、1学期に5科目とっているとすると、次の授業までに読まなければならないページ数は100を超えます。
そのうえ、アメリカの教科書はすべて英語で書かれています。
とくに英語(アメリカ人の国語)と歴史の予習の量は大変なものです。
反対に、数学、外国語、アートなどのクラスではReadingは多くありません。
やはりReadingの多い科目と少ない科目をバランスよく組み合わせるのが大切です。
アメリカの大学では、中間と期末のテスト前だけに集中して勉強すればいい、というのではありません。
毎日の宿題=予習に相当の時聞をかけなければならない、つまり「毎日コツコツと」勉強しなければならないのです。
そして、そこから自分なりの意見をひき出し、クラスで発表することで学習の成果が評価されるのです。
留学生にとって、このReading Assignmentほど「泣きたくなる」宿題はありません。
アメリカ人でさえなかなか上手に教科書を読めないのですから、日本人にとって母国語でない英語で書かれているものを、何十ページもすらすら読めるはずはありません。
そのためにも、「効率的な教科書の読みかた」をマスターすることが大切です。
たとえば「第○章を次の授業までに読んできなさい」というReading Assignmentが出たとします。
いきなりその章の最初のページから読み進めていくと、章全体の構成を理解していないので、わからない単語が出てくるたびに行き詰まってしまいます。
アメリカの教科書は、章ごとに"Chapter Summary"というその章のまとめが章末に箇条書きされています。
まずこのChapter Summaryを読み、そして章全体にざっと目を通し、太字や大きい字、図、グラフなど目に入りやすいものを理解したうえで、つまり全体の構成を理解したうえで、実際に読み始めると、多少わからない単語が出てきても、それが重要であるかないかの見当がついて、飛ばし読みができるようになります。
この「飛ばし読み(Skimming)」がつまり教科書を読むコツなのですが、一朝一タで身につくものではありません。
人によって差異はありますが、教科書を読むのが苦痛でなくなるまで、やはり1年くらいはかかるようです。
アメリカの大学では、Readingのほかに、以下のような宿題が出ます。
毎週、1、2ページの作文を提出する宿題。
クラスによってトピックはさまざまですが、「その週に見たTVニュースの話題について」など、時事的なことがよく取り上げられます。
社会学や政治学、経済学のクラスでよく見られます。
数学や語学のクラスでは、数式を解いたり単語・文法問題を解く宿題が出ます。
授業では宿題の答えあわせをします。
ある課題に対して3〜5人にグループでリサーチしたり作業したりして、その成果をクラスで発表します。
アート系の授業の宿題は、もっぱら作品の制作です。
提出期限までに完成させるために、学生たちは何時間もスタジオにこもります。
徹夜作業になることも少なくありません。
音楽の授業では、毎日のように楽器の練習に追われます。
授業では、練習の成果を披露します。